化学実験の廃棄物処理【安全で適切な処理方法】

化学実験

化学実験では、必ず廃棄物(固形物・排水・排ガス・廃溶媒)が発生します。
適切な廃棄物処理を行うことは、環境保護安全管理の観点から非常に重要です。
本記事では、化学実験における廃棄物の種類とその処理方法について解説します。
特に、法規制や安全面を考慮しながら、正しい処理方法を身につけましょう。

化学実験における廃棄物の処理

化学実験を行う場合、廃棄物を適切に処理するまでが実験の一部であると認識することが大切です。
処理の過程では、化学の知識を持たない人が扱う可能性があるため、安全性を最優先に考えましょう。

また、実験室から出る廃棄物は、水質汚濁防止法・下水道法・悪臭防止法などの規制を受けます。
微量であっても適切に処理し、無断で廃棄・排出することは厳禁です!
特に、実験者が廃棄物の内容を最もよく把握しているため、その都度、適切な処理を行うことが求められます。

さらに、廃棄物の発生量を最小限に抑える工夫をすることも重要です。
実験計画の段階で、不要な試薬の使用を避けたり、再利用可能な方法を検討することが望ましいでしょう。

廃棄物ごとの一般的処理法

化学実験で発生する主な廃棄物の種類一般的な処理方法を示します。
具体的な処理手順は施設ごとに異なるため、施設内のルールや責任者の指示に従いましょう。

No.廃棄物種類処理方法
1無機系固体できる限り種類ごとに分類しましょう。
2有機系固体有機廃液に準じて処理しましょう。
3有機廃液ハロゲン含有溶媒は完全に分別し、
その他の溶媒は水と混ざるかどうかで分類しましょう。
4水銀系廃液有機水銀は無機化し、金属Hgやアマルガムは除去しましょう。
水銀で汚染されたガラス器具やろ紙は含めないようにしましょう。
5シアン系廃液pH12以上で貯留しましょう。
6六価クロム系廃液酸性(pH3以下)で貯留しましょう。
二クロム酸は希釈して貯留し、混合による沈殿の可能性があるため、
内容物を記録しましょう。
7一般重金属系廃液貯留中に沈殿が生成しないよう注意しましょう。
8酸類廃液濃度が低い場合、中和後に排出しましょう。
9アルカリ類廃液濃度が低い場合、中和後に排出しましょう。
10放射性同位元素管理区域外へ持ち出さないようにしましょう。
長期間の保管も禁止されています。
11試薬瓶内容物を出し、よく洗浄・乾燥させた後、
廃棄またはリサイクルしましょう。

廃棄物処理における注意点

廃棄物を適切に処理するために、以下の点を意識しましょう。

  • 事前確認
    • 実験開始前に、使用する試薬の性質廃棄方法を確認しましょう。
  • 分別の徹底
    • 混合により危険な反応が生じる可能性があるため、種類ごとに分別しましょう。
  • 記録の管理
    • 貯留した廃棄物の内容や処理方法をノートに記録しましょう。
  • 安全装備の使用
    • 処理の際には、適切な保護具(手袋・ゴーグルなど)を着用しましょう。
  • 施設のルールを遵守
    • 研究室や大学ごとに定められた廃棄物処理ルールに従いましょう。

まとめ

化学実験における廃棄物処理は、安全管理環境保護の観点から極めて重要です。
実験者自身が責任を持って処理し、適切な分別と処理を徹底することが求められます。
また、できる限り廃棄物を減らす工夫を行い、持続可能な研究活動に貢献しましょう。

施設ごとのルールや指導者の指示を守りながら、安全で適正な廃棄物処理を実践してください。

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